「大人読本」はじめています
子供の頃「将来つきたい職業は?」と聞かれても全く頭に浮かばなかった。友人たちは喫茶店オーナーやレーサー、学校の先生、ケーキ屋さん、看護婦さん、と嬉しそうに答えるのに私には全く頭に浮かばなかった。小学校の卒業文集にもそのことを書かなくてはいけなくて困ったのを覚えている。
数年前に出てきたその卒業文集。開いてみると「年はとっても気だけは若い。いい大人になる」と書いてあった。意味不明だ。
果たして私はいい大人になれているのだろうか。なんとも疑問。
先日娘に久しぶりに会って、最近身の回りで起こった悲喜こもごもの四方山話をした。私の四方山話はだいたいが失敗談。それをちょっと面白いネタにして話すか、まだ笑い話にはなりえていない感情波打つ未消化の出来事の報告。
私が話し終えると彼女は、一呼吸置いて席をたち、振り返ると「あゆみは人間らしいところ全部あるよね」と言った。なんて簡潔。
しばし沈黙の後、本当にそうだと納得。
アホの考察好き、抜けているのに用心深く、カッコつけのくせに中身重視、大胆で小心者、目立ちたがり屋の引きこもり、怖がりの冒険家、飽きっぽい情熱家。あげたらきりがないけれど結局根が子供なんだと思う。子供が年をとっただけの年齢だけが大人な人。
全く反論できなくて、ふふっ、と笑う。
そして、あら私いい線いっているんじゃないの?と思う。
ある時から私の目標は、子供のような自然体に戻るということだったから。確か30代の半ばに決めたことだった。大人ぶって不自由で、人生を楽しんでいないことに気がついたから。
さて、まっすぐで情熱的な牡羊座で、しっかり者の長女。O型。そんな仮面や役柄を脱ぎ捨てて、自分の中の本音に聞き耳を立て、感じていることに素直に向き合ってみたい。そんな私の日々からこぼれ出る小話をここで書き連ねてゆこう。
このサイトの記事は、「日々」と「旅」の二つに分けられている。
「日々」の中には日常の暮らしの中での出来事。仕事、友人や家族、ハプニングなどの出来事を。
「旅」の中には、私が大好きな旅を通して出会ったものや人、旅程での出来事などを。
自分の暮らしのキーワードをできるだけ少ない言葉で集約したら、この二つの言葉になった。もっともっと集約して一つにすると「旅」だけになるだろう。私たちは旅をしている。時間を場所を、人々を。そんな視点で生きている私からこぼれた小話が、少しでも誰かの自由に繋がることを願いつつこのサイトを始めた。自由な心を持つ人は、自らの声を聴いて立つ人だ。そしてきっと人の自由を奪わない。自由な心がきっと世界中の人の生活を豊かに幸せにするだろう。
大の字になって寝ることのできる人は、自分に嘘のない人だろう。大人ってそういうことになっている状態の人のことだと私は思う。そんなことだからやっぱり私はその状態を意識してしっかりと現実を歩いてゆこう。くの字で寝て、ジタバタしながら・・・いつかの「大」の字に向かって。
大人読本です。よろしくおねがいいたします。
2017年8月15日 正午 沖縄にて
祈りを捧げながら