月と月の輪熊
黒姫の森で見かけた不思議な景色。分かるかな?大きな枝が鳥の巣のようにまとめられて木の上に。結構高い木。どんなに大きな鳥でもこんなに太い枝は運べないな。そう思って眺めていたら、友人が教えてくれた。
あれは熊棚といって、熊が木の上で枝を折ってクッションにしてその上に座って木の実を食べるんだよ、と。
それから私の中で、なんどもなんども熊が木に登って枝を折り、椅子を作ってもぐもぐしてる。
けれど待てよ、熊が食べ物を木の上に運ぶのにバッグやポケットがないことが気になって気になって。どうやって木の上に食べ物を持ち込むの?
木に登りながらどんぐりや栗を運ぶのは両手ふさがるだろうから無理よね、とか、お腹の肉の間に挟むっていう手も考えてはみたものの登るときに腹が伸びるだろうからやっぱりどんぐりころころ落ちちゃうしね。
いろいろイメージしたものの運ぶこと叶わず。結局私の中の月の輪熊は、木に登って棚を作って座ったら月をぼーっとみてるのよ。
あまりに長いこと月を見ていたものだから、お腹が減っちゃってたまらないから調べてみたら、熊棚は熊が木に登ってどんぐりや木の実を枝を折って手繰り寄せて食べた後にできるものだということが判明。
友人にそのことを教えようかどうしようかちょっと思案した後、月をぼーっと見ている月の輪熊をそのままにしておきたくて内緒にすることにした。
今日の月はかーんと冴えていて、十五夜の昨日よりきれいだね。
by 月の輪熊on the 熊棚。