巻き戻し

早川ユミ 大人読本 田原あゆみ

旧盆を終えた6日の晩に私は沖縄へ戻ってきた。那覇空港のゲートから外に出た途端にもわーっとした湿度に包まれた。開いた毛穴から湿気がどんどん入ってくる。湿気をごっくんごっくん飲んで今日はもっちり蒸し饅頭のようにもちゃもちゃした肌。我が故郷に未だ秋の気配来らず、日差しの強さに湯気がたっている。

東京−沖縄、処変われば身体・感覚・気分も変わる。

そんな中で、今年の10月5日から始まる「小野哲平・早川ユミ企画展(仮題)」の準備のための記事やDMを作ろうと集注している。して、高知の彼らの自宅兼工房を訪れたのは7月末のこと。写真を見ながらその時肌で感じた空気感、会話、音、表情などを思い出し、記憶を巻き戻してゆく。

私、そうやって感覚を巻き戻して行って、その時間の中へもう一度立つのが実は得意。短期間タイムトラベラー・ちょっと前時間チャネラー。

写真は小野家の台所。滞在中の4泊5日ユミさんが毎朝毎晩美味しい食事を出してくれて、毎晩白熱した時間をすごした。私と哲平さんは白熱コンビなのだ。その火花散る会話をユミさんは微笑んで見守っている。その笑顔の奥には深遠なメッセージ。(ほんとにもーしょーがないなー、このふたりは。ああ、そうそう、それはでもちょっとちがうかな、あーもーことばをさしこむすきもないよー。・・・そういえばこのあいだいのししが畑を荒らしていたけど、こんばんもやばそうだなー。あ、あのほんあしたちゃんととどくかしら?)ユミさんはたくましい。

彼らの生活やその中から生まれてくる布と土の仕事については、近日中に記事にしたい。

それではこれより写真の中に潜り込んで、肌で感じたことを翻訳。さてさて、仕事仕事。

これも仕事、Shoka:も仕事、記事書き、撮影、交渉、受注、発掘、事務、整理、掃除に、整頓、洗濯、炊事、世の中仕事に溢れてる。

一番大変なのは自分に仕事をさせるために尻を叩くこと。


2017年09月08日 | Posted in | タグ: Comments Closed 

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